2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

 雑誌の未来2

先日に引き続き、自分の思考を整理するために書いてみたい。 前回は情報誌だった。雑誌の中でもネットの影響を受けやすいジャンルであった。 では、カルチャー誌、文芸誌はどうか。 こちらの部数減はネットの話以前に人々の嗜好性が多様化してきて、読書が趣…

雑誌の未来

ある時期、「BRUTUS」は僕の知的欲求の発露だった。 そこでは知らないクリエイターたちが、アートやデザインや流行の某かについて、時に熱く、時にクールに語っていた。対象の取り上げ方、切り口にセンスを感じずにはいられなかった。特集主義の雑誌なので何…

「カーニヴァル化する社会」

LIFEでおなじみの鈴木謙介氏の著作を読んでみた。amazonのレビューで分かってはいたのだけど、想像以上に議論があっちいったりで、着いていくのになかなか苦労した。もちろん書いた本人はそれも含めた構成だったのだろうけど。 まず前書きで「祭り」に群がる…

「文学の触覚」

東京都写真美術館 現代写真美術館、「文学の触覚」を観に行った。閉館前だったので、空いてはいたものの慌ただしい。 一言で言ってしまえば、文学作品を材料にしたメディアアート、と言った感じ。 小説の言葉が映像になり、手に触れたり、音として聞こえたり…

 「夜は短し歩けよ乙女」

「新釈 走れメロス」に続いて、「夜は短し、歩けよ乙女」を読んだ。 はじめに言ってしまうと、こっちの方が断然面白かった。引き込まれる要因はなんと言ってもあの古風でユーモアのある文体。 一人突っ込み的な男性パートの語りには笑わせてもらった。少々町…

新釈走れメロス / レイモンドカヴァー

仕事がどうも落ち着いているので、最近は読書三昧。 森見登美尾の「新釈 走れメロス」、「夜は短し歩けよ乙女」を表題作だけ読む。 (残りは順次。)今年の本屋大賞にも「有頂天家族」がノミネートされており、面白いらしいぞ、ということで。 「走れ〜」の…

南方熊楠「クマグスの森」

watari-um - exhibition - 南方熊楠展 ワタリウム美術館を訪れるのは、これが初めてだ。 意外だったのは、けっこうマイナーだと思っていたクマグス展だったが、人が溢れるばかりの盛況だったこと。いったいどんな職種の人が来ているのだろう。 周りで耳にす…

環境問題について考えたり

bank bandの沿志奏逢2を聞いている。 演奏者が、音楽を楽しんでいることが、これほど伝わってくるアルバムもないだろう。 全く気負いがない。 櫻井さんは、昨年の台風でフェスが中止に鳴った時も、 これはこれで仕方ない、こういうこともあるさ、というニュ…

「ゲーム的リアリズムの誕生」(東浩紀)

おたく文化をポストモダニズムの思考によって、鮮やかに再解釈し直す名論文。潔さを感じるのは、読者対象が、ライトノベルやギャルゲーなんて 触ったこともない純文学読者である、ということを想定し尽くしている というところであろう。 そのため、文中にこ…