上海〜杭州③ 杭州

「天上に天国あり、天下に蘇州、杭州あり」と謳われるほどの風光明媚な景色を誇る杭州。中国人にとって住みやすい街であり、心の和む街である。
そんな杭州の名物の一つが、「トンポウロウ」。豚の角煮。これがまたとろけるようでおいしいんだ。日本のそのへんのラーメン屋の角煮とはわけが違う。
そんな名物を誇る杭州に、最近では新杭州料理なるものも出てきた。広東、四川、など近隣の料理の特徴とうまくマッチさせながら、味を深化させるというもの。中国では同じ店でも日によって出す料理法が違う。それだけどんどん進歩しているということ。料理を追求するこの姿勢、広大な土地が生む多様な食文化こそ、中華料理を世界の名料理におしあげている所以なのかもしれない。

そんな食文化の根付いた中国ではあるが、こと衛生に関してはとってもおおらかなように見える。それはいろんな生物を食するところからも分かるように、あまり細かいことに頓着していないじゃないだろうか、と思わずにはいられない。(そういえば、道中、カエルの丸焼き、アヒルの舌、ダチョウの卵、などなど下手物を食べる機会に恵まれた)
そんな彼らは、国内で消費する野菜に農薬はほとんど使わない。衛生好きで野菜に一匹でも虫が入ることを嫌悪する日本人向けだけに、農薬が散布されているという。こうして間近で中国の人との生活に触れると、その意味が何となく分かる。きっと農薬の撒き方だって、ずいぶんぞんざいな感じなんだろう。何しろ自分たちには必要のない行為でもあるのだから。でも、日本の消費者はその行程を望んだ。ある意味、ヒステリックなまでに。とすれば、中国人の反応はなるほど、納得出来る。「死人も出ていないのに、どうして騒ぐ」と。それは自国への攻撃ではないか、などと訝しんでしまう。

結局、それも文化の違いかもしれない。なんて不衛生なと思っても、日本人は世界一のきれい好きだ。おそらく。であれば、世界から取り入れる食べ物に対して、清潔さを求めるのはもちろん自由だろうけど、それは他国から見たら滑稽なことに、もしかしたら写るのかもしれないのだ。そんなことをどこかで認識する必要があるのかもしれない。食物は天から降ってくるわけではないのだから。どこか他の国の他の土地で他の民族によって、作られているのだから。



杭州の名所、西湖

↑あちこちにボートが見える

杭州はハネムーンのメッカ。あちこちで広告用の撮影が

↑西湖近くのお茶博物館へ

↑お茶博物館でのお茶のお手前

↑夜は繁華街のレストランへ

↑人生で一番まずかった腐った豆腐を揚げた食べ物

↑ムードある夜店。屋台も多い。