水澤うどん

日本三大うどんって知ってますか?

讃岐、稲庭(あるいはキシメン)ともう一つは群馬の水澤うどん。水澤寺から始まったとされるうどんは、コシがあって、つけ麺で食べる。都内から向かうと伊香保の温泉街に行く途中に「うどん街道」と呼ばれる水澤うどんの老舗がいくつも集まった集落がある。
その中でも数少ない手打ちでうどんを作っている店が、「清水屋」である。

http://gourmet.yahoo.co.jp/0003785225/M0010000749/

創業400年。当代で17代目という店主が自ら、粉からうどんの元をコネ、それを足で踏んでなじませる。まさに代々続く、手作り。

実はここでうどん打ち体験をさせてもらったのだが、その重労働さと繊細さには度肝を抜かれた。
水分と塩を含んで重くなったうどん粉を足で踏む。このことで、水澤うどん特有の弾力性が生まれる。しかもならしたうどんは一日寝かせて、いろんな物質がなじんでいく時間を作る。この踏む際にもコツがあって、かかとだけで強く踏んではいけない。足の裏に均等に力を入れて、平にのばしていかないと行けないのだ。

こうやって踏み込まれたうどんには、きれいな層ができていて、始めと比べても明らかに弾力性が生まれている。
昔の知恵をなめちゃいけない。いろんなことには意味があって、だいだい引き継がれてきたのだ。

店主から人生鐔も聴かせてもらい、世継ぎの大変さ、手作りへのこだわりを知る。

そうして食べたうどんは格別だ。
実はここを訪れる前に食べた(機械で作っているという)他の店と比べても、麺のおいしさは段違いだった。素人にも伝わる麺のコシ。たんに茹でが足りないとか、芯が固いとかそんなことではない。
豊富な弾力性とでもいおうか。

手作りにしか出せない技が、そこにはあるのだと、うどんをごまだれですすりながら、なんだかすごく嬉しい気持ちになった。




水澤寺