映画 Mr.Children 観ました。

映画 Mr.Children / Split The Difference 公式サイト


触れ込みに「レコーディングのようなライブである」とあるように、
スタジオライブと小規模ホールでのライブ映像、そしてそのリハの映像をまとめた、ドキュメンタリー。2時間中、ライブ曲は…10曲くらいだったかな。


そもそも、男子一人でミスチルの映画観に行くのなんだかはずかしいかなぁ、などと思って躊躇していたのだけど、まぁ昔はライブも一人で行っていたわけでそれに比べればぜんぜんたいしたことはない。
映画館のサイトで席を選ぶ時に、一人分で空いているところをとればいいものの、わざわざ二席、空いているスペースの一人分を確保し、ムダないやがらせをしたのは器の小ささの成せる技か。


と、そんなことはさておき。


もはやミスチルのライブあるいはドキュメンタリーごときで感動なんてしないだろうと、若干醒めたテンションで行ったのですが…すいません、不覚にも感動しました!(いつもじゃん…)


小規模ライブに向けて、音を構築しながら、これまでの曲を全然異なる解釈で、表現し直すという野心的なアプローチ。正直、演奏されていた曲は、アルバムの曲やらマイナー目なものばかりでファンじゃないと知らないのでは?という曲がほとんどだったのですが、それでも全ての曲が、「かっくいい!」とうなるものばかり。


おそらく、曲の好みの問題もあるんでしょうが、個人的にはバンドサウンドを全面に押し出した曲が多かったので、その点でもよかったのかもしれない。
「横断歩道を渡る人たち」や「虜」「ファスナー」「ニシヘヒガシへ」という正直、聞き流していた曲や聞き飽きていた曲が、アレンジを変えられて別の曲へ「再生」を施されたかのよう。


そのスリリングな過程(リハ)と、結実(ライブ)との編集の仕方も見事で、のめり込みましたよ。一人妄想スタンディングオーベーションだった。



とあるレビューで、「これまで曲を定期的に出し、スターダムにのし上がり、突っ走ってきたミスチルが、大人の力の抜きどころを覚え、「ゆるく」音楽をやろうとする試み」という表現がされていたのですが、僕はぜんぜんそうは思わないな。


今回の試みは、ライブやリリースで曲を大量生産し、同じようにリピート演奏することをよしとせず、自らの曲の持っている「可能性」を自分たち自身で拡げ、探求しようとする「野心」であり、チャレンジなんじゃないかと思う。


それは意図してバンドへ「負荷」をかけることで、まだまだこれから「成長」していくぜ、という彼らの宣言のようにも受け取れる。ミスチルがバンドとしてこれからもガチで勝負していくという所信表明のような。
bankbandのような「あそび」があったとしても、やはり戦場はこっちなんだなぁと感じた次第です。今後の活動にさらに、さらに期待です。