1Q84、読了しました

世間では2週間で100万部突破のエラい騒ぎになってるが
どれだけブームになろうとも、世の春樹ファンはそんなことどこ吹く風。
淡々と自分の世界に入り込みつつ、作品を楽しんでいることでしょう。。


いや、相当、面白かったです。


読み進めていく途中で、こんな濃密で作り込まれていて、
ラストはどうすんだ!?と逆に心配になるくらいでしたが
ラストまで緊張感を落とすことなく、いいところで終えたという
印象受けました。


この読後感を出すためには、
全ての伏線を委ねる必要があったんだろうと思います。


たしかに謎を謎のままにという点は多いけれど、
全て謎解きしてくれなくてちょうどよいし、
むしろ他の人がどう読んだかを読み比べる楽しみにもなるかと。


何より村上春樹の、複雑に絡まり合うテーマ
(根源悪、宗教、親子、因果)を
全て注ぎ込んで書こうとする意欲がひしひしと伝わってきて。
これまでの作品の品のいい軽さは薄れ、
どことなくマッチョなまでの筆致を感じました。


…ただ、どうかね。
グローイングアップ的というかボーイミーツガール的というか…
そういう吹っ切れ方にも見えるけど、
なんだか腑に落ちない部分も。



それにしても、物語の中でも小説、売れていたけど
こうして現実世界でも100万部売れている!
『空気さなぎ』が作中で売れて、現実が小説の世界と同質化し、
それを描いた『1Q84』が現実世界でも売れて…


僕らの世界をも巻き込んだパラレル。
どれだけ入れ子状態になっているんだっていう!


おいおいまとめて書いてみたいと思います。

以下、書評。
朝日新聞
http://book.asahi.com/review/TKY200906090102.html

仲俣氏
http://d.hatena.ne.jp/solar/20090528#p1

紀伊国屋
http://booklog.kinokuniya.co.jp/abe/archives/2009/06/post_42.html