越後妻有でアースウォーク

日本を縦断して木を植えているアースウォーカーの中渓宏一さん。
彼は今まさに北海道から沖縄までのセレブレーションウォークの真っ最中。


TOKYO SOURCEでインタビューしてから、一緒にウォークを体験したいと思って
機会をうかがっていたが
今回、都心に最も近づく越後を通るルートを歩いているとのことで、合流をもくろむ。
ちょうど、頃よく、TSが縁で中渓さんと知り合ったアーティストの岩間賢さんの自宅に滞在しているとのことだったので
TSメンバー二人で行くことに。(二人の出会いの経緯はコチラ
しかも、今夏開催の「大地の芸術祭」の準備の様子も見ることができる。


東京からバスを乗り継いで4時間。
岩間さんが滞在しているのは、携帯すら通じない
日本の原風景に囲まれた松之山地区という場所だ。



12年前、朽ち果てそうな古民家をリノベーション(掃除?)して今では人が住める家に変えた。
岩間さんの制作拠点、アトリエでもある。

中はモダンな雰囲気もありながらぬくもりに溢れている。

中渓さんと岩間さん。アースウォークが岩間さんの制作にもインスピレーションを与えた。

ココです。このスペースに何ヶ月か後には壮大な作品が完成予定!


岩間さんの作品を生で観たことはないのだけど、土を使った作風は自然との対話を思わせるし、
それは中渓さんが自分の手足を使って、一本ずつ日本中に木を植えていく活動とリンクするものがある。


それは今の時代にどんどん失われてしまっている
「実感」「触感」という概念。


マネーゲームを背景にした世界経済が立ち行かなくなり、
都市のコミュニケーションも相変わらず希薄のままで。

多くの人は、現代のおかしさに気付き始めている。

それが最近の農業ブームにも出ているのだろうし。


別府の時にも感じたが、地方の持つポテンシャルは間違いなく、東京にはないものだ。
少しでも自分のライフスタイルに関心が強い人なら、地方の生活の持つ魅力にひかれるのは
必然だと思う。

ただ、一方で僕らは東京での暮らしを簡単には捨てられないしがらみも抱えていて。
(それは仕事だったり、収入源だったり、家族や友人だったり)

おいそれと移住だ、田舎暮らしだ、とは簡単にはいかないのも事実。


だからこそ、日本の本来持っていたポテンシャルをもっと知って、実感して、
リアルなところでサポートして、関与していくのが必要なんじゃないかと思う。


それを自分たちが持つ資産として、将来に共有していこうとする
意識が大切になってくるのだ。


もはや東京だけではやっていけない時代。
地方の力(それは同時に日本の自然や歴史への認識にもつながる)
に目を向けるためにも、
過疎や地方衰退を人ごとにしない、という意識。


二人の活動はそれに気付かせてくれる一つのフックになりえる気がしている。



中渓さんと合流してアースウォーク、30分。
歩いていると、心が自然と解放されるから不思議です。

帰宅後、みんなで餃子作り。笑
味付けもシンプルなのに驚くほどおいしい。
これも自然の力。

翌日はブナ林の中をJENの代表の方にご挨拶。

アースウォーカー二代目?一心君!

二年前に植樹をした池谷地区の「命の森」。
思い思いのメッセージを書き記し、木を植えることで、縁もゆかりもないこの土地が
木を植えた人たちにとって特別な場所になる。
土地への帰属意識、植樹にはそんな役目もあるんだなと気付かされた。




中渓さんはこの「命の森」に二年前、メッセージを残した。それは、


「ココカラハジマル」


事実、彼はこうして再訪を果たし、より多くの木を植えるべく、日本を今も歩いている。


そして、9月21日、国連が定める「世界平和の日」に沖縄に到着すると言う。


誰にでも出来ることじゃないと思う。
これまで3ヶ月歩いてきて、野宿は4回。
それ以外は全て宿を提供してもらっている。
それこそ見ず知らずの人からも。
それは、人を巻き込む力や意志の強さ、人間力、様々な力があってこそ成せることだろう。


だけど、
彼の言う「世界を変えていくのは、1人の人間からなんだ」
という確信は、
これからの時代に、間違いなく一つの指標になりえるんじゃないかと思っている。



気持ちよさ、それが空気や食や温泉や風景、全てから与えてもらえる感覚なのです。

地球を歩く木を植える

地球を歩く木を植える