闇の子供たち
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2009/02/25
- メディア: DVD
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機を逸していた『闇の子供たち』を今頃になって試写会で観てきました。
上映前。
ユニセフ親善大使であるアグネスチャンらが「子供ポルノ」の撲滅を訴え、子供の人権の大切さから映画の存在意義を説いていました。
要するに、この映画をきっかけに現実を知り、考え、行動を起こしてほしいと。
そのためのトリガーになりうる映画であろうと。
だが、観終わった後の感想として、
もっと他にもっていき方があったんじゃないだろうか感じずにはいられなかった。
たしかに映画を通して描かれる、児童の性的虐待、買春、臓器移植(生きたまま麻酔だけで臓器を摘出する)は観ていてつらい。虐待シーンでは目を背けたくなるほどだ。これを有名キャストを起用して、日本の映画システムの中で映像化しようとしたこと自体、すごいことだし、意義深いことだ。
だからなおのこと、終盤に向けて、スキャンダラスさ、サスペンスさを
過剰に畳み掛けようとしたストーリーに疑問が残ってしまう。
あそこで銃撃戦は必要だったのか、主人公の過去は必然だったのか。
この手の映画を、単なる「お涙頂戴」の感動の消費として使うことは
全く賛同できない。
できないのだけど、感動なだけじゃない、何かメッセージ性が欲しかった。
希望はない。何も出来ることはない。
そこが強調されていて、NPOもメディアも無力だということしか
伝わってこない。
そして、最後にはあなたも加害者なのだという図式。
もしかすると、原作はそのスキャンダラスな面にスポットを当てて作られたのかもしれない。でも、ユニセフがメッセージとして乗っかるのであれば、それはまた違った見え方のする映画でないといけないはずだ。
そのバランスはすごく難しいと思うけど、少なくとも主題歌は桑田圭祐じゃないだろう、とか、細かいところが気になってしまった。
だけど、映画の出来とは違う次元で、考えないといけないことも
多々提示してくれた作品でもあった。