パリ・ドアノー展(ロベールドアノー写真展)

http://www.crevis.jp/event/doisneau01.shtml

『パリ市庁舎前のキス』が有名なパリのスナップを撮り続けた写真家、ドアノー。60年以上の長きに渡って、パリを舞台にそこに住む庶民や動物、有名人を撮り続けたフランスの国民的写真家。その彼の「パリ」に焦点を絞って200点あまりを集めた写真展だ。


200点もの数でありながら、彼の写真は見ていて飽きることがない。面白いのだ。それは彼の写真から人生のユーモアが溢れているからだろう。一つ一つの構図に登場人物の感情の機微が見て取れるし、それがすごく個人的で生き生きとしている。観る側が、写真に映る人物たちを一発で愛せてしまうような一瞬の表情、動きを見事にとらえている。しかも舞台として背景に入り込んで来るパリ。これがまた素敵なのだ。

きっとドアノー本人も、すごくユーモアさと計算高さを併せ持った陽気な人物なんじゃないだろうか。写真を観ているとそんなことを思わされる。


ドアノーの言葉が全てを凝縮している。


「パリは、時間の浪費がチケット代わりになる劇場だ」