TabTalk #1 フクヘン 鈴木芳雄


Tokyo Art Beat を運営するTAB主催「TAB Talk」が開催され、その初回はフクヘンブログでおなじみのBRUTUS副編集長、鈴木氏。
フクヘン。- 雑誌ブルータス副編集長、鈴木芳雄のブログ

BRUTUSではアート特集はほぼこの方が担当していると考えて間違いないのだけど、最近では「現代アート特集」「国宝って何?」「西洋美術特集」から杉本博司伊藤若冲茂木健一郎などなど。知らず知らずに買う号は、ほとんど鈴木フクヘンの担当で、知らず知らずに感化されている模様。
あのタイトルの引っかかりはすごいなって思うのです。


「10年前では雑誌のステータスのためにやっていたアート特集が、今では10万部売り上げる特集になってきた」という状況の変化を説明。それもすごい話だ。アートが流行っているってことなのだろう。
その後、バイリンガルでこれまで携わった特集を一つ一つ説明。

印象に残ったのは、
「旅や移動には価値があると信じている」
という発言。
彼は毎日、企画展を観ることを自分に課しているという(ブログより)。海外出張も1ヶ月半に一回。とにかく移動の中で、本物を見極めようとする姿勢には心底、感服する。

先日の「現代アート特集」も北海道からの取材の帰りのリムジンの中で思いつき、雑誌の裏に殴り書きをしたものが、ほぼそのまま雑誌になっている。
とにかく瞬発力。
思考も行動も連動している。

効率や意味を求めていては、たどりつけないもの、見えないものがあるのだろう。
もちろん深い洞察や知識は不可欠だけど。

結局センスでしょ?なんて逃げないで、自分の範囲の中でいいものに触れ続けることは、自分に課していかないといけない。それは意思の問題でもあるのだから。


次回はもう少し、編集について深い考えを聞いてみたいと思った。
第一線で活躍している編集者のお話は、あまり聞く機会がないだけにエキサイティングだった。