ap bank fes 07
台風の影響で初日・二日目が中止になり、諦めかけた今年のフェス。
スタッフの方々の必死な努力により3日目のみの開催にこぎつけた。
僕らといえば、初日の中止を受け、金券ショップで三日目のチケットを高値で購入。
祈る気持ちでその日の開催決定の知らせを受けたのだった。
当日は時間を繰り上げ、つめつめの進行。
盛り上げ番町、GAKU-MCやKREVAで場が暖まり、綾香の想像以上の歌唱力にびっくりし、シークレットゲストの氷室京介に度肝を抜かす。
感動的だったのはKANだ。
初日の中止から、もしかすると出演してくれるのではという期待に応え、アメフト姿で登場。(なぜ?)
我らが世代のアンセム『愛は勝つ』で、会場一体の大合唱。
素晴らしい。
音楽は時間を越えて、心に残る。
随分と音源を聞いてないはずなのに、平気で歌えてしまう。
心にしみこんでいる。
よい音楽はもう体の一部みたいなものなんだ。
bankbandが終わるとウルフルズの登場。
こちらも懐かしの「ガッツだぜ」で場内がノリノリに。
こんなベタな曲なのに乗れちゃうなんて、時代のせいですよね!
ラストは堂々のミスチル。
すごく自然体なライブで、ファーストの名曲『風』や久しぶりに聞く『my life』や『抱きしめたい』などすぅっと体にしみこむような音を鳴らす。『未来』や『I'll be』などツアーではやっていない曲ばかりで構成され、大満足のライブに。
普段のツアー中ならセットリストをこんなにもがらっとかえることなんて、ほとんどなかった彼らが、ここまで全然違う曲を演奏するということに、いろんな曲を歌いたくてしょうがないだろうなという気持ちがにじんで見える。
きっと今、歌うことが楽しくてしょうがないのだろう。
正直、回数を重ねてきて、いろんな疑問点――エコステーションのゴミ分別が破綻していたり、マナーを守らない人が見受けられたり、ゴミが散乱しているのを目にしたり――も浮かび上がっている。
このフェスはどれほど、環境に貢献しているのだろうか。
余計なお世話かもしれないが、考えずにはいられない。
メッセージのあるところには、それが崇高であればあるほど、批判的な目だって同時に付きまとう。
もしかすると勝ち目のない戦いであり、時として大いなる矛盾を抱えた活動であるのかもしれない。
でも、僕は思う。
何もしないより、何か動いて出る結果にこそ、意味があるのだろうと。
毎年開催されるap fesから、いつもこんな想いをもらっている。
何かをやる時のネガティブな要因に足をとられて何もできないよりも、何か動いた方がいいのだと。何も変わらないかもしれないけど、もしかしたら変わるかもしれないのだ。
少なくともこのフェスがなかったら、ここまで僕自身が環境に興味を持つことはなかっただろう。
こうして今年も、掛川駅行きのバスを待つ長蛇の列の中で、見上げる花火に誓う。
「来年もまた来るよ」と。
急ぎ足の歩みを、少し緩めながら。