前々から是非まとめて観たいと思っていた展示。

展覧会情報アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌



「決定的瞬間」に代表される報道写真家であり、マグナムの創始者。フォトジャーナリズムをアートにまで高めたと言われる20世紀を代表する写真家である。



普段すごいと言われている写真でも、ぱっと見何がすごいのか分からなかったりするものだが、カルティエ=ブレッソンの写真のすごさはそんな自分にもひしひしと伝わってくる。


なにより構図が完璧だ。



一枚一枚が本当に計算され尽くされている。




しかもそれをポーズを決めて撮っているのではなく、歴史に寄り添いながらその中で切り取っていくというのだから驚愕だ。




ブレッソンの写真の中で、特に好きだなーと思えるのは、戦後すぐ辺りのヨーロッパの写真で、なんだかアイロニーが入り混じっているもの。
例えば、3人のドイツ人がベルリンの壁の向こう側を覗く為に、道端の消火器(?)に登っている後姿。



歴史に翻弄されていながらもそこに写っているのは、常に生身の人間だったりする。
写真に写し出された彼らは、その場その場を偽りなく生きている。
教科書に出てくる歴史、とは違った視点で、その場に間違いなく生きていたであろう人たちの生々しい感情が伝わってくる。



だから、歴史的事象としても面白いし(特に一連の中国の内戦など)、ユーモアをたたえた日常を生きる一般の人たちの記録としても面白い。




ヴィンテージプリントも観ることが出来る。
こちらはかなり重みを感じる。



今回の展覧をまとめた写真集も購入。


1800円。これはお買い得なんじゃないか。



ちなみに休日はけっこうな人でごった返していて、しかも5時閉館と早いので、早めの時間がオススメです。