サリンジャー他界。
- 作者: J.D.サリンジャー,野崎孝
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1984/05/20
- メディア: 新書
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http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010012901000015.html
91歳だそうだ。
大学に入ってすぐに読んだのが「ライ麦」で(たしか授業の最初の課題だったような。
)あの当時は名著と知りながらも訳の時代錯誤感にやられて
あまりのめり込めなかった記憶がある。
それよりも「ナインストーリーズ」の方が彼の純粋さや
それゆえの不気味さが描かれていて、
「イノセンス」と「狂気」との紙一重ぶりが伝わって来た。
ちなみに僕は「ライ麦」に関しては春樹訳の方が好きだし
それは世間一般でもそうなんだろうと思っていたら
以前「野崎訳の方が断然いい。春樹訳は春樹色が出過ぎです」
と言われたことがあり「そういわれればそうかもな」と思った。
訳によってその時代が背負っている空気感が表現しきれるかいなかはどうしようもないことだけど、とにかくホールデン少年の持っている純粋さには、時代を超えた普遍性がある。もちろんキレイなだけの純真さだけじゃなくて、その歪みや汚さまでも描けてしまうところがすごいんだと思う。