ミシマ社の話
以前から注目している出版社で、ミシマ社という会社があります。
出版社では珍しい、ベンチャーと言うか、新規参入で
作り手の顔の見える良書をコツコツと作っている出版社。
出版って歴史が古いだけあって、
その体質や慣習や制度が大手・老舗に有利に出来ている(らしい)
なので、この特異な業界体質の中で
新しく会社を立ち上げることは、
なかなか難しいこと。
しかも、すごく歳も若い。(多分、僕のちょい上くらい)
そんなミシマ社のブログに
こんな記事が。
http://www.mishimaga.com/mishi-hana/009.html
出版100構想だそうだ。
電子出版やら再版制度やら書店の廃業やら雑誌の休刊やら
暗い話に事欠かない業界で、
未来がない、というのはなんだかもう
共通認識みたいなものなんじゃないだろうか
っていうくらい、いわゆる斜陽産業。
と、そんなことを言っていてもしょうがなくて。
しかもそんな業界ウォチャーみたいな話がしたいんじゃなくて。
このエントリーの中で書かれている
出版をJリーグに例える語り方が…
Jリーグは、1993年の発足以来、日本全国各地にクラブチームをつくる動きをとってきた。それによって、サッカー人口の底辺は大幅に広がり、サッカー自体の国際レベルも比較にならないほど高まったことは言うまでもない(Jリーグ以前は、ワールドカップに一度も出場できない国だったのだから)。
というのも僕自身も、編集とか本を作るのって、
もっとJリーグみたいでいいよね! って常々思っていたから。
各県にJのチームがあって
かなりカツカツではあるけど
それを支える地元のサポーターがいて、
選手にはプレーする機会が与えられている。
どんなに不況で、各チームが厳しくても
もはやサッカーがマイナースポーツに成り下がることは無い。
それはサッカーと言うスポーツの持つ魅力も
さることながら、
それが地域に(つまり自分の傍に)あるのが
当たり前なスポーツになってきたからだ。
観るのも楽しいし、やるのも楽しい。
例えば本を作ることだって
もっと双方向性が高まれば、
今より活況になるんじゃないか、なんて思う。
情報を発信したいと思うのは
根源的な欲求だし、
発信するためには上質な受信が必要だ。
それが東京一極集中じゃなくて
各地域から起こってくれば、
それは面白いことになっていくんじゃないだろうか。
今の、ベストセラー一極集中とはまた違った
いい意味での「多品種少ロット」
そんな文化・活動としての出版に、
すごく期待してしまう今日この頃なのです。