現代思想は何の役に立つ?『ニッポンの思想』

えっと…本の感想を、読み終わった時に書こうと思っても
読んでいる最中の高まりはとうに失せてしまって
興味は次の本に移っているということが少なくない。


移り気で、集中力のなさがダメなんだと思うけど
ならいっそのこと、読み終わる前に本の感想書けばいいんじゃないか?
という結論に至った。


最後まで読み切らずに何かを断じてしまうことは危険ではあるのだけど、
まぁ、批評サイトじゃないし、気軽にいきましょう



ということで、本書。


この本は批評家、佐々木敦氏が
80年代ニューアカからゼロ年代までの
「ニッポン」の思想の変遷を追いかけた、現代の思想入門書。


浅田彰中沢新一から柄谷行人を通り、
福田和也大塚英志・宮台真二へ。
そして東浩紀に到達する「ニッポン」の思想。


そこには、狭義の意味の「現代思想」だけでなく
ジャンル横断型の筆者らしい
カルチャー、小説、音楽などの諸分野を包括した
専門的見地ではない、「観察者」としての見方となっている。


そして、それがこの本の読みやすさと面白さになっている。


それにしても。
東浩紀の人気はすごいらしい。


彼が主導して作った思想雑誌「思想地図は」1万部を超える売上だし、
ゼロアカ道場から端を発した「文学フリマ」での
批評同人誌は「素人」の書き手にも関わらず
5時間で500部も売れるという反響!


まさに、現代は「東浩紀の一人勝ち」


なぜ彼だけが、これほどの存在感・影響力を行使できるのだろう。


本書は、最終的にこの問いに答えるために
日本の思想史の流れを追っていく。


なんだかんだで、系統立てて読んでこなかった思想書

それを概略できるよい機会にもなりそうだ。
浅田彰柄谷行人もちゃんと読んだことなかったし…)



それにしても。
大学時代は思想をやっていればモテるだろうみたいな
幻想があった。。


だけど、デリダとかクリステヴァとか読んでも
何かの役に立ったことは今まで、一度もない。

まったくもくろみが外れたみたいです。。


もし「現代思想・婚活」なんてものがあったら
どんな人が来るのだろうか。


気にはなるけど、そんなもの、自分ならちょっと行きたくないな。。。