クチコミみたいに信頼できるガイドが欲しい。

岩手県に行こうと思い立って、いろいろとネットで情報収集。


ネックは、「男の」「一人旅」。
旅館の多くは1人泊は受け入れておらず、いやな顔されて泊まるのも本意ではない。そんなときに頼りになるのは、個人ブログ。同じように一人旅好きの「主観」の入ったセレクト。「じゃらん」や「楽天トラベル」に情報は大量に蓄積されているが、そこから「一人旅」「温泉」「男」のキーワードに引っかかるものを一個一個見て選別するのは、正直面倒だ。誰かの「主観」に乗っかって、セレクトされたオススメの中から選びたい。時間だってないしね。(出発直前だし)


そして想い至ったのは、

「情報が大量にあればいいのではないなぁ。ネット時代にホントに必要なのは、セレクトされた情報だ…」

と当たり前のいうこと。


よく言われている今の人は広告よりも「クチコミ」を信じるというのもここにあると思う。「どんなところか」よりも「誰が薦めているか」の方を重視する。それは情報が増えすぎたがゆえに生み出された、自分で探す・吟味する・決定する、ということがあまりに気の遠くなるような作業になってしまったという帰結でもある。


だからこそ、次第にWebにおいても「情報が多い!」ということはあまりウリにならなくなってきているのではということ。出版はいわずもがな。

「クラウディング」という言葉に表されているように、ネットを使う人は検索窓の向こうに情報があると思っているのであって、それが一つのサイトに集まっている必要はまったくない。「温泉」でググれば、何万のサイトから情報が提供される。


そのセレクトがうまくはまったのが「ことりっぷ」だったりする。

「ことりっぷ」の成功は、「セレクト」×「デザイン」がうまくはまった形だと思う。デザインがかわいいことでまず読者の信用を得て、「このガイドのいうことなら信じられそう」とまず右脳的支持を取り付ける。その上で物件が少ないことで「左脳的」にも負担が少なく、使いやすい。(もっといえばシリーズ戦略で信頼性も担保されている)


セレクトを謳ったムックやガイドはいくつもあるはずで、それ以上に受けたということはこの両輪があってこそ、はまったんだろうなぁと思う。
そして、そこにネットと出版の棲み分けの可能性を感じる。


ネットの情報は膨大で、ほぼ全ての情報は無料で手に入る。
ただ、それはセレクトされず、有象無象のままそこに「ある」。個人のサイトでそれをやっているとことはあるが(「一人旅」のように)それは編集されていないし、情報の経年もおえていない。

ターゲットが細かくセグメントされ、セレクトされた情報があれば、それを必要な人は確実に存在する。あとはその人たちにいかに「届けるか」を考えればいいだけだ(普通の人は本屋にいかないし、本屋で出会ってもらうのは至難の業)


ターゲットが「ツアー旅行者」だったり、「20代女性」だったりだと作り手も情報をセレクトできず、結果詰め込まれてしまって、情報量でネットと勝負になってしまい、使い手にとっても魅力の感じられないものになってしまうのかもしれない。


そう思うと、「旅」は若い人を中心に多様化し、ツアーにない旅に興味集まっている。さらに流行りの「地方活性化・交流」の流れのもとに地方でも客引き合戦が続くわけで(高速料金は1000円だし)まだまだいけるんじゃないかな〜と思うのは楽観的?


とにかく、おとこのガイドあれば(風俗は抜きで!)、自分で欲しいと思った次第。
帯は「男が旅して何が悪い!」ってな感じで。