雑誌休刊についての朝日新聞の記事

9/13付けの朝日朝刊に「月刊紙冬の時代」と称して小さく特集が組まれていた。今年の雑誌休刊(特に大手の歴史ある雑誌)を受けての「月刊現代」「ロードショー」の二誌編集長へのインタビュー。

「月刊現代」はノンフィクション月刊誌。だが最近では秋葉原事件などの重大な事件でも忘れ去られるのが早く、発売日を迎えた頃には見向きもされない。ネットのせいか情報の流れがすごく早く、移り気になっている、と指摘する。
他の場所でも同じような指摘を聞いたことがあるが、たしかに物事が「過去」にされる速度が速まったことは感じる。秋葉原事件もつい三ヶ月前のこととは思えないほど沈静化してしまったし、オリンピックなんてあっという間に話題から消えた。ノンフィクションがニュースの速報性ではなく深さで勝負することを思えば、この変化は厳しいのかもしれないけど、でもそんな消費するだけの情報でいいのか?もっと検証や分析には時間をかけるべきじゃないのか?などと思ってしまう。

「ロードショー」の方はあらゆる媒体(ネット、フリペ、女性誌)が映画のネタをやるようになり、多様化した。その中で広告費はジリ貧。映画会社は宣伝費をテレビに集約するようになってきたという。
こんなところにも「情報ゼロ円」感覚が浸透した影響が見て取れる。映画の情報を得るために毎月、1000円近いお金は払えないということだろうか。今後続けていくためには、人員を絞ってコアなところにぶつけるしかない、とも書かれている。

男性ライフスタイル誌などが隆盛を極め、広告で成り立つ雑誌ビジネスがもてはやされた時代も今は昔。(ちょい悪系譜のZINO、NIKITAも休刊した。たしかに成功しているところはまだまだあるんだろうけど)。クライアントも広告を絞る。この前、とある旅雑誌の人と話をしたらかつては「女性誌」っぽくしてファッションブランドの広告を引っ張ってくることが出来たけど、今は無理。モード誌にしか入らない。いっそ旅に特化して、旅系クライアントに訴えた方が引きがよかったりする。などといわれていた。

先述の記事の中で、永江朗さんが「出版社は各社とも後退線の最中。縮小しながら新しいビジネスモデルを探す、上手な後ずさりの仕方が求められて」いると言っていた。

どれだけ付加価値をつけられるかがますます勝負になってくるんだろうな。言うのは簡単だけど。