『20世紀少年』は原作の方が面白いに決まってる

たしかにそうなんです。だけど、映画も観ずにはいられなかった。そして観てきたわけですが…

まずすごかったのは、キャスティング。
まさにマンガのキャラと瓜二つと言えるくらいの豪華で演技力もある人たちばかり、ずらりと揃っている。予算の大半はここに消えたんじゃないかっていうくらい。脇役やちょい役もいちいち有名人が出てきて。まぁ主役級は実力のある人たちなので安心してみていられる…はずなんだけど。

この違和感は何かっていうと、人物たちがどうしてもマンガほどの魅力的なキャラに見えてこなかったからか。なんだか全編を通して作り物臭い。空港爆発やコンビニ炎上が安易にCGだったり、ラーメンの湯気までも作られていて、どうしても興ざめだった。

登場人物たちがそれぞれ魅力的で、それでいて人物のストーリーと時間軸が交差するドキドキ感が原作の魅力だったのに、映画化するとそれらはどうも再現出来ていなかったように見えた。

原作ファンとして、どちらかというと暖かい目で観ていたのだけど、その視点がなかったら正直きついかも。

あまりに原作がすごいもんでそれを侵さないように、脚本も役者も原作をなぞるのが精一杯で新たな映画版の伝説を作るまでの野心には至らなかったのか?

もちろん膨大な物語を三部作にまとめる必要があるわけで、一部にも一応のカタルシスがいるわけで、それを両立させるのは難しいんだろうけど。
なんだかもっとできたんじゃないかーって思ってしまうのです。

早口すぎて、サスペンス的な要素も味わいきれずだったしね。

二部以降に期待か!?(でも映画館では観ないかも!)