ジャーナリズム崩壊
- 作者: 上杉隆
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/07/01
- メディア: 新書
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っていうか、日本の新聞ってどうなのよ!
という問いに答えてくれる刺激的な一冊です。
著者は『官邸崩壊』というノンフィクションがベストセラーにもなった上杉隆さん。ニューヨークタイムズでの記者経験を元に、日本のマスコミのおかしな談合体質、特に「記者クラブ」というやつを徹底的に批判しています。
それはほとんどがタイムズとの比較の中で見えて来る、日本マスコミのおかしさなのだが…挙げていくと、向こうでは速報はap通信などのワイヤーサービスに任せておいて、新聞記者はじっくりと取材をして書く。だからメディアスクラムも起こりにくい。日本は記名記事がない。間違った報道でも訂正をしない。スクープを出しても他に追随してほしくて、自ら他紙にリークしたりする、「一部週刊誌」などと新聞以外のメディアを見下した表現をするなどなどたくさん出てくるのだけど、それがまた痛快でよい。
特に鋭く切り込むのが、「記者クラブ」
記者クラブでないと官邸やぶらさがり取材が出来ない。メモを互いに見せ合って同じ記事を書こうとする「メモあわせ」なるカンニングが横行している。大手の新聞は仲間はずれが怖くて、政治家とうまくやることしか考えていない。既得権益を守ることに必死で、海外記者などのアクセス権を妨害までする。彼らはしょせん、会社員なのだ。などなど
記者クラブの実態を知ってなんだか日本らしいなぁと辟易した気持ちになる。
ジャーナリストって高い志を持っている人たちの集団だと思ってたから。
っていうか、なりたくてもなれないやつとか、いい大学出ていい給料もらってるんだから
ちゃんとやれー!といいたくなる。
朝日新聞、購読止めようか、なんて気にもなった一冊だ。