雑誌読んでますか?

最近、各方々から聞く雑誌が売れない議論に触発されて、雑誌について考えてみた。

自分の場合の雑誌体験は歴史が浅い。少年時代はコロコロ→ジャンプで育ち、中高はたまに音楽雑誌や月刊角川を読むくらい。大学では愛読書はNumber。思えば、あまり雑誌に囲まれて育ってきたわけではない。
ただ就職して東京に出て来ると、本屋の充実ぶりに驚かされ、定期的に立ち読みするようになり、そして必然的に雑誌への接触も増えた。定期的にチェックしているのは、BRUTUS、CASA、エスクァイアのライフスタイル誌、SWICTH,パピルス、ロッキン、インビテーションのカルチャー誌。旅、TRNSIT、CREA TRAVELLAR、FIGAROなどの旅系雑誌も特集によっては見るし、編集会議なんて業界紙から週刊誌やSPA、AERAなんかもちら見する。テレビを見ない生活なので、必要な情報はほとんど雑誌から得ている。

なぜそんなに雑誌を買ったり見たりするのか。それはやっぱ紙ものの商品が好きだからなんだと思う。きれいな表紙で、初めてページをめくる時のあの紙と紙がくっついた感じとか印刷の匂いとかたまらなくないすか?
変態チックだけど。


で。
それはいいとして、雑誌が今、大変だ大変だというのはよく言われている。
部数が10年連続前年割れの右肩下がり。雑誌だけで10年間で3千億の売り上げ減に、広告出稿料も雑誌4500億に対し、ネット6000億と昨年初めて抜かれたらしい。
特に週刊誌の凋落が激しいと言われ、逆に経済誌は逆に部数をのばしているという。

なんていう悲観的な話なわけですが、これはもう時代の流れでしょう。(単純)
だって、10年前までほぼゼロだったインターネットという情報収集の時間が今では、帰ったらテレビかネットかで二分するほどに生活の中に入り込んできたわけだから。
たいていの人が、積極的に意欲を燃やしてアンテナを張り、情報収集をするわけではないということを考えると、お金をかけて有益な情報との出合いがあるかどうか分からない雑誌を買うより、暇つぶしにちょうどいい「ネットサーフィン」で済ます方が合理的なのは間違いない。

この出版不況の中で、ファッションという女性の目的と経済という男性の目的にストレートに応えてくれる、これらの雑誌が好調なのも分かる気がする。


でもですね、やっぱそれだけじゃ人生つまらないですよ。
テレビで垂れ流される情報とネットでぼんやり見る情報だけじゃ、知らないことに出会えないわけで。

しかも、結局、僕らは広告に支配されているんじゃないか、って思ってしまう。


無料だからって広告のたんまり入ったフリーペーパーで喜ぶ。広告いっぱいのファッション誌に金を払う。検索したら広告料払ってるリンク先から目に入る。
能動的にアクセスしているはずの「情報」がこれほど広告で「毒されて」いて、知らないうちに消費者心理を洗脳されているという現実は、なんだかいやじゃない?


いつの間にか、広告で作られた雑誌に僕らはなれすぎてしまっているのかも。
でも、広告ナシじゃ新創刊も出来ないでしょうに。
どうバランスをとっていくんでしょうか?