加賀百万石 古都金沢を行く 二日目

金沢駅はまるでドイツのどこかの駅のように、近代的なフォルムを掲げた(多少大げさな作りの)駅舎だった。この街自体は駅の周りよりもバスで15分ほどいった香林坊なる界隈が繁華街にあたりにぎわっている。スタバもいくつもあるし、109だってある。といったら金沢の人に怒られるだろうか。有名ブランドの路面店が並ぶ様は地方の有力都市を思わせる。

観光地もある程度狭い範囲に集中している。繁華街、香林坊の近くに位置するのが「21世紀美術館」である。

ホワイトキューブと言われる作品を飾るのに有効な真っ白な壁で全体を覆った作りになっていて、真上から見ると円を描いている建築様式も美しい。世界的に有名なユニット、SANAAの設計である。
先日、東京都現代美術館でもキュレートし、『プロフェッショナル』(NHK)にも出ていた長谷川祐子さんはかつてここで活躍していた。こんな地方の美術館が、全国から来場者でにぎわっていることに(この日も午前からかなりの来客)美術館の戦略と、昨今の現代アートの勢いを感じる。まさに近代の有名作品を買いあさるのではなく、インスタレーションを中心とした現代アートを、たしかな眼力でキュレートしたその結果が、この成功の元になっているのだと思う。
企画展として「ロン・ミュエック展」が開催されていた。
異常なまでにリアルな人の造形。(毛一本までめちゃめちゃ精巧でこわい)そして非現実的な巨大さとがアンバランスさを持って、観る者を不気味な気分にさせる。
あまりにリアルすぎて、人を間近でじろじろ見ることによる気まずさを覚えずにはいられなかった。
一見の価値あり。
金沢21世紀美術館 「ロン・ミュエック」展


↑有名なプールの作品。

↑下から

昼は近くの加賀料理や「さくら亭」でランチ。
金澤さくら亭

 
↑ランチコース2500円ほど。


午後は兼六園へ。日本三大庭園の一つ。かねることのできない6つの要素を兼ね備えてしまうほど美しい庭園。ちなみにその6つとは「宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望」とのこと。かなりすごいようですね。人はおおかったけど、広いせいか全く人ごみを感じずに、のびのびと歩くことができました。


さらに、「にし茶屋街」へ。ひがしに対してこちらは近くの武家を対象にした花街。どこもシャッターが下りて、閑散としてるなーと思ったら大間違い。一見さんお断りのため看板は無用、むしろひっそりと観光客を拒絶していた方がよいのです。ぼくらの知り得ない大人の世界がそこにはある。
そんな中、店の中を開放している茶屋へ。
二階へ上る階段は人ふたりが歩ける広さ。なぜなら舞妓さんがお客さんと連れ添って、二階へ上がれるようにとの心遣いから。舞妓は〜ん、って感じですね(意味不明)


↑お茶のお手前。(出されただけだけど)

↑一階の中庭は風流な飾り付け

↑麗しい人形も並べられている

さて、夜の世界をチョイ見したあとは、忍者の世界へ。妙立寺、通称「忍者寺」。(見学要予約)
単なる寺だけではなく、金沢城が攻められた時の要衝としての役割も負っていたという妙立寺。一説によるとここの井戸は横穴があって、金沢城まで通じているらしいのだ。あくまで都市伝説にすぎないが。そのくらいここ金沢がいつ攻められてもおかしくない状況に当時あったということを物語っている。
中の設計もかなりすごい。一人で入り込んだ確実に迷子になるだろう。当時、3階だて以上の建物が禁止されていたため、外から見ると3階だけど、中の構造は7層になっていた、本当に迷路のようだ。床を開けるとそこには階段が!とか、襖と思ったら、そこは出口だった!とか、もう驚きの連続。一緒に回った人の中で一人声を上げて、(「おぉ〜〜!」)リアクションしていました。そのくらいすごいのだ。
しかもかなり頑丈な作りになっていて、400年の間、崩れることなく現存している。それもまた当時の技術力に恐れ入ってしまうわけなのだ。


↑裏からの入り口

↑この襖のような階段の向こうから槍で刺す。びびって上がれないよ、こりゃ。


武家屋敷を歩いて、夜は加賀名物、治部煮。これがめちゃめちゃおいしいんだ。東京で食べられるところはないだろうか。


武家屋敷街の休憩所、つぶらき商店は九谷焼を売るショップでもある。

九谷焼(たぶん)で出されるコーヒーは格別

↑治部煮!味噌が利いてておいしい!

武家屋敷にキティが!あまりの大きさに興奮する!