『World World World』 ASIAN-KANFU-GENRATION

友人に誘われ新木場のライブに行けることになった。ということもあって、アジカンの新作を早速、拝聴。

ロッキンオン山崎洋一郎の言うようにまさにポップアルバムだ。
ダンサンブルなリズムに印象的なリフ。前作『ファンクラブ』の重厚で作り込まれた音とは違う種類の音の追求。

アルバム全体から漂うのはとにかくポジティブなオーラ。


『夢ならさめた まだ僕らは何もしていない すすめ』


こんなにストレートで、僕らの背中を押す同時代的な音楽があったろうか。
臆面もなく伝えるメッセージ。

君と僕の間の5mに過剰にセンシティブになっていた自己を突き抜け、その先の未来を見ようとする潔さがにじみ出ている。

自己を追求した経験がそうさせるのだろう。社会へのコミットもただものじゃない。時代の空気を全身に受けて、ポップな音に乗せて届ける。(いや、まさにポップな音でなければなかった。必然だったのだろう)


ゴッチがインタビューで言っていた。
アーティストが社会的発言をしないこと、自分もそれをしていないことが、悔しくてひっかかっていた、といった趣旨のことを。きっとどんなに自分の中に潜ってしまっても、社会的な事象からは逃れることは出来ない。ならばそれを受け入れて、ごまかすことなく、世界に発信していこうとする彼らの姿勢にすごく共感出来る。
それこそが、新世紀(というには遅すぎるけれど)に鳴らされるべき僕らのリアルな音楽、そのものじゃないだろうか。

そんなことを思う自分は理想主義なのか。
過剰な期待か。

でも、こんなひどい世界。さえない現実。

せめて音楽にくらい、希望を託したって、いいじゃないか。