『アメリカVSジョン・レノン』


六本木TOHOシネマで『アメリカVSジョン・レノン』のドキュメンタリー映画を観て来ました。12/8はジョンの命日。それに合わせてというわけではないけれど、映画館では上映前に献花の花を渡され、スクリーン前に花を手向けると言う演出もあったわけで。


僕にとってのジョンレノンはソロになってからの反戦活動家、という一面ももちろんあるのだけど、やはり音楽での興味の方が強い。
その当時の状況を生で体感していないから、彼の行動がどのくらいの影響力を持っていたかということに関して、映画を観るまではほとんど知らなかった。


だからスクリーンに描き出される当時の映像と証言者の語りには、本当に興味をそそられた。

何といっても彼がフェスティバルで左翼活動家の釈放を訴えた歌を歌い、それが世論を動かして実際に釈放にまで至って場面。
一人のミュージシャンが、大国アメリカの法をも動かしてしまうのだ。


その彼の影響力について彼やヨーコ自身も恐れを抱き、FBIや政府の監視に恐怖を覚えるというなんとも生々しい話が随所に出てくる。


また今でこそ、ジョンの主張の真っ当さ、真摯さは伝わっているが、当時のメディアの「ミュージシャンが何を言うか」というシニカルな視点はひどいものだ。
その辺の同時代的メディアの反応、政府の反応、世論の反応、が多角的に描かれていて面白い。単純なジョン賛歌に終わっていない。ベトナム戦争という70年代アメリカの有り様を、ジョンの生き方とリンクさせて、浮かび上がらせている。


そこにドキュメンタリーとしての面白さを感じるし、ジョンレノンその人への丁寧な(しかもそれはしっかりとした愛に支えられたものだ)視線も感じることが出来る。


ジョンについて
戦争について

現代の我々が観ても伝わるものがある。


最後には、ジョン・レノンはなんて普遍的なのだ、と驚かずにはいられない。