クーリエジャポン 12月号

創刊二周年の特別企画に「中田英寿責任編集」として中田へのインタビューと彼自身が選んだ海外の記事が紹介されている。



これまで世界各国を旅してきた中田のインタビュー。彼の今後の活動。
「旅とは人生であり、人生とは旅である」という名言を残してきっぱりと現役生活に別れを告げ、世界一周の旅に出た中田。
あのブラジル戦の後、ピッチに倒れこんで泪をこらえる姿には今思い出しても泣けて来る。その後に刊行された『中田英寿 誇り』を読んだ時ももうページを繰るごとに泪が溢れて仕方がなった。


だけど正直なとこを言うと、サッカー選手でなくなった彼に魅力を感じなくなってきたのも確かで、彼の何にこれほどまで入れ込んだのか、ときかれれば、それは企業の取締役でもなくカフェのプロデューサーでもなくましてや旅人でもなかった。サッカー選手である、まさにその一点において彼の輝きは何ものにも変えがたかった。
それは僕の中で紛れもない事実。


でも、彼が世界を旅して何を思い、その後、どういう活動に入るのか、関心を持たずにはいられなかった。
遠いイタリアの地で日本のサッカーを見せつける、という我らの虚栄心を満たしてくれた中田の活躍ぶりは、サッカーを辞めた後にもどうしてもつきまとってしまっていた。


時々、漏れ聞こえる彼の動向を耳にしては、何かか快哉を叫ぶような活動の提起を期待していた。
そうだ、期待していたのだ。
いつも、彼には。
そしてそれに対していつも応えてきた彼の行動に対して、憧れを覚えてきたのだった。





随分、前置きが長くなってしまったが、環境と貧困。
世界に横たわる解決しがたい問題。
世界と繋がり、世界を知り、世界を動かすことの出来る中田英寿
動こうとしているのだ。


大丈夫!心配ない!なんてことは思わない。もちろん。

でも期待せずにはいられない。


これがこの先、大きなムーブメントになって、少しでも世界がよくなるきっかけになることをただひたすら祈る。
そして、これまで前日の試合を常にウォッチしてきたように、
これからも彼の動向から目を離さないでいよう。


いろんなことがからまりあって、
興味や趣味の幅が有機的に刺激しあって、
よい未来のために動くことができる。
夢見がちだと言われても、想像せずにはいられないのだ。