森山大道 × ホンマタカシ


青山ブックセンターで本のフェスと称して、キャンペーンが行われている。

著名人が「水景」をテーマに推薦本を紹介するというもの。
この手のキャンペーンはなんだか非常に面白い。有名人がどんな本を読んでいるのか、興味が尽きないからだ。

このキャンペーンの一環として、ハワイでの撮影を元にした写真集が同時期に発売された森山大道ホンマタカシの対談があった。


まぁ写真家という人たちが饒舌ではないだろう、と思っていたので、そこまで盛り上がらないトークもさほど気にもならず。


話の中でホンマタカシが「今回の写真集は4×5で撮っていて、撮っている時は被写体が見えないので現像するのが楽しみだった」というようなことを言われていて、けっこう衝撃的だった。

つまりそれは、ココだー!という決定的瞬間でシャッターを切るのではなく、もう感覚を研ぎ澄ませて、ある意味ヤマ勘で写し撮るのだ。
それも被写体は同じ姿を見せることのない、常に揺らぎ、その形を変えている「波」である。


写真集の帯に書かれていたキャッチ「決定的瞬間ではない」という言葉がふっと頭をよぎる。
なぜこんなに執拗に波を撮ったのか、その動機がほんの少し垣間見えたような気がした。


ハワイ

ハワイ