googleの正体
- 作者: 牧野武文
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2010/01/23
- メディア: 新書
- 購入: 7人 クリック: 410回
- この商品を含むブログ (76件) を見る
その業界の人間からしたら今更と思われることなのかもしれないが
改めて、googleに対するギモンがいくつも解決できた。
——そもそも、なんであんなに無料でサービスを提供して、あそこまで儲かってるの?って根本的なギモン。売上2兆円だそうです。1社で出版業界超え。
そのビジネスモデルには、アドワーズ広告。あの検索結果に出る3行広告ですね。
たったあれだけの広告でそんなもうけちゃうわけ? と素人は考えるわけですが、どうやらyahooなんかのポータルのネット広告とはわけが違うらしい。つまり検索に依存している、と。
あの3行広告は、検索結果と連動しているためにヤフートップに高すぎて広告を出せない規模の小さな会社でも広告を出せる。「ロングテール」で、その小さな広告を集めていくことで、これまで広告とは無縁だった「ローカル広告」の市場を開拓し、利益につなげているという。
古いメディアからネット広告へ広告費が移っていったと考えがちだが、それはちょっと違ってgoogleがやったのは「世界中のロングテールビジネス市場の創造」だという。
それが分かると、googleのいろんな戦略が説明がつく。
とにかく、消費者に「検索」してもらわないといけない。
そのためには、検索画面はシンプルであっていい。滞留時間は極力短く、次々に飛んでいってくれた方がいい。それがポータル「yahoo」とのトップ画面の違いにも如実に現れている。
だからそのためのサービスはただで提供してかまわない。
ブラウザもオフィスもgmalもマップも、ただでどんどん使ってもらって、トラフィックを増やして、そこから広告へどんどん飛んでもらえばいいのだ。
ついにはケータイまで手を出したのは、特に今後伸びる途上国市場に安い金額でモバイルをばらまいて、そこで「検索」してもらうため。
うまくできてますね。。
ちなみに、アメリカでのgoogleの成長はAOLのトラフィックを買ったことから始まったらしく、日本でyahooに勝ち切れていないのは、yahooに次ぐポータルサイトのトラフィックを買えていないから(っていうか、3番手がないから…)とも。
でも、よくよく考えれば、
今だってテレビというおカネのかかったコンテンツがただで観れているのって、普段気にしないけど、相当すごいことだ。
そう思うと、地図もOSも新聞記事もただで手に入ってしまうことなんて、驚くことじゃないのかも。
やっぱり全てのサービスは、無料への道をひた走ってるのかもしれないなぁと。。