日比野克彦×速水@朝日カルチャーセンター

主催者の三重県の方から間接的にお誘いを受けた
アーティスト日比野克彦林業家・速水亭の対談「ヒノキで遊ぶ」に行ってきました。
http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=42818&userflg=0


メインのテーマは「熊野古道」を舞台にした日比野氏のアートプロジェクト「But-a-I」について。これは演劇(舞台)と美術をコラボしようという試み。日比野さんが三重県尾鷲に演劇で使うような舞台を作り上げたのだが、そこでは鑑賞者も舞台に上がってワークショップをするなど開かれたアートが楽しめる仕掛けが施されている。客席と舞台に回遊性があって、地元の人が訪れて初めて作品として完成されるように作られている。

そして、その舞台を作る材料の檜を提供したのが、「ものづくり実行委員会」の速水氏というわけだ。


日比野さんは金沢での「朝顔」で地域を繋ぐプロジェクトといい、地域活性のアートプロジェクトを多く手がけている。
その一環事業としてももちろん面白いのだけど、さらにそこに「熊野」という土地の持つ磁場と何百年も培われてきた林業という技術が重なり合って、よりいろんなスイッチを持ったプロジェクトに仕立て上げられている。


日比野さんは、熊野には”場の力”がある、と言っていた。
速水さんも、熊野の”再生の信仰””アミニズム”に言及していた。
それは現代社会が軽んじて、捨て去ってきたものであり、それでいて人間の体内に知らず知らずのうちにインプットされている「感触」のようなものでもある。

熊野にはそれがかなり純度の高い形で残されているのだと思う。

「熊野の闇には色がある」(中上健次)という言葉が印象的だった。


7月からは舞台がそのまま池袋に移設されるらしいので、ぜひ観に行きたい。
日比野克彦アートプロジェクト「ホーム→アンド←アウェー」方式



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初めて朝日カルチャーセンターに行ったのだけど、講義の充実ぶりに驚かされた。これだけ世間では学びの欲求が高いんだなぁ。
なんだか最近おとなしくしていたので、情報に飢えている。。