外苑前のワタリウムのコレクション100点を展示。ヨーゼフボイス、キースヘリング、ジョンケージ、ウォーホールなどなど、興味があったアーティストを観れる良い機会。

watari-um - exhibition - I Love Art 9 青い風が・・・展


まずは印象に残ったアーティストを。

ドイツのヨーゼフ・ボイス
初期フルクサスのメンバーで主にハプニングなどのパフォーマンスアート。

『社会彫刻』という言葉を残し、作品発表の場所はまさに社会。『樫の木』を植えたり『緑の党』を結成したりと、「教育」や「政治」にまで活動を拡げ、賛否両論とともに後世の芸術に大きな影響を残した。

今回展示されている彼の作品の1つは『フェルトスーツ』。第二次大戦で兵士として瀕死の重傷を負った際にその傷を癒したフェルト生地を使った作品。
他には、黒板に図解をしながらレクチャーするインスタレーション(映像が流されてます)などがある。


社会を舞台にした「人間は誰でも芸術家である」という彼の思想・作品を理解するためには、社会的な背景を理解していないといけない。作品を単体で観てもなかなか深い理解は難しい。ハプニングなどの一回性の作品はなおさらだ。


たしかに社会と結びついた作品は逆に面白いと感じるのだけど、同時代的で新鮮な驚きというのは当然難しく、当時のリアルタイムのインパクトを知れない残念さのようなものは作品を観ていて感じてしまう。


時代を背負ったと言う意味では、グラフィティアートのキースヘリングや、ポップアートの旗手アンディ・ウォーホールも同じ。
作品を観るだけで伝わって来るすごさじゃなくて、歴史的な流れの中で彼らがどう位置づけられるかという(下手するとお勉強みたいな)アートが、個人的には好きみたいです。

作品点数自体は少なくて物足りなさもあるが、これらのアーティストに興味のある方はぜひ。