クロスイッチ
どんな中身かというと、最近よく耳にする「クロスメディア」についてそのノウハウを電通社内の「クロスメディア開発プロジェクト」がまとめたもの。クロスメディアを通して、情報を遮断しようと殻に閉じこもっている消費者のスイッチを入れる、との発想からこのタイトル。
中身は具体例も充実していて、納得させられる部分が多い。広告業界でもなんでもない自分が読んでも、消費者意識の変遷とその対策は興味深い。
たとえば「ジャンプスクエア」。
「情報の格差を意図的に作り、クチコミを誘発する」
(詳しくは中身を読んでください)
完売増刷の報だけを聞いた時には、まだまだ漫画もいけるのかという認識になったのだが、そのウラでは周到なクロスメディア戦略がうまくはまったということだったようだ。たしかに初回が最も売れてその後は落ち着いてるみたいだし。。
そのやり方、「コア層」にだけ分かるような情報の隠蔽を行い、それに気付いた人が誰かに話したくなる心理を利用して、クチコミを当て込む。創刊前に3万人のブログで紹介されていたらしい。
ここからは話がそれるのだけど・・・・・・
社内でも「よいものを作れば売れる」信仰がまだまだ強いように感じるのだが、本も雑誌も売れない時代に少しでも実売を伸ばすためには「よい中身を作る」と「それを売る」は切り離して力を入れないといけない。(当然だけど)
特に書店にしか販促を持たない場合は、常にプロモーションを頭の片隅に置きながらモノ作りをしないと。。
クロスメディアで重要になるのは
・消費者を誘い出すシナリオ作り
・コンタクトポイント(消費者とブランドを結ぶ接点)
・心理欲求の分式
ということ。
旅行業界にも「若い人は海外旅行にいかない」という定説で思考がなかなか先に進まない部分がある。ガイドは迷わず○○、のような流されがちな人たちは、流行が変われば手に取る本を次第に変わる。その人に向けるのではなく、海外に積極的に行く人、さらには積極的に情報収集する人に対象を絞って、ぶつけていく。
そういう海外信仰のある人の海外に行くステータス感のようなものをもう一度満たしてあげる必要があるのではないか。
万人に受け入れられるガイド幻想ではなく、一部の熱心なインフルエンサーに好きになってもらえる商品・PRを作り、そこから定着させていくほかない。
などと思う。
もう少し読み進めてみます。。
クロスイッチ―電通式クロスメディアコミュニケーションのつくりかた
- 作者: 電通「クロスメディア開発プロジェクト」チーム
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/08/29
- メディア: 単行本
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