ハーブ&ドロシー、観ました。

映画『ハーブアンドドロシー ふたりからの贈りもの』公式サイト


興味を持ったきっかけは、わりによく見るサイトでオススメされていたから。


http://www.satonao.com/archives/2010/04/herb_dorothy.html

http://fukuhen.lammfromm.jp/?p=9048


最近映画を選ぶ基準は、「どういうふうに」紹介されていたかよりも、「誰が」紹介していたかだったりする。


こんなに惚れ込んで、オススメされているんだから、何かあるんだろうと思って、観てみたくなったというわけで。
結論からいうと、すごく気持ちよい体験になったということ。

映画の内容は他のサイトに詳しく紹介されているのでそちらに譲るとして(NYのアートコレクター夫婦のドキュメンタリー。)、自分が一番興味を持ったのは、この映画を撮った佐々木監督と言う方が、二人の夫婦の存在を知り、資金集めもままならないままに、絶対に映画にせねばという情熱に突き動かされて形にしたということ。そして、それを観て、共感したボランティアや協力者の人たちが配給元も決まらなかったこの映画を日本で上映にまでこぎつけ、初日・二日目と行列ができるほどの人を集めた(というか、集まったという表現が正しいのかと思うけど)ということ。


だから、この映画を観にきた人たちも、やはりそのエピソードやストーリーを当然共感していて、映画の中のユーモアに笑いで反応していたし、上映後拍手が起こっていたし、そういうものを全部含めて、映画を観るって「体験」であって、他の見ず知らずの人と場を共有することなんだなと思った。その空気感が、もちろん監督と映画が醸し出していたものなんだろうけど、やっぱり他の映画とはちがうものがあったように思う。
二日目だって言うのに、床に座布団を敷いてみる人が何十人もいて。。なかなかない光景だったり。



しかも、その宣伝や告知を伝播していったのは、いわゆるソーシャルなクチコミなわけで。ほぼ手弁当な映画なので宣伝費もなく。twitterやブログで、人から人へ、呼び集めていったところがすごく今っぽいし、それだけじゃなくて、ちゃんとこうして気持ちのよい空間をリアルで共有出来てしまうところまで含めて、なんとなく可能性を感じる気がした。良いものが、正しく、広まっていく速度や手段、という面において。


いや、だって映画館の周辺は土日ともに、大行列だったのだから。
(土曜に行ったらとても入れませんでした…)

  1. +


舞台挨拶での監督の話。


映画を撮り終えてから、監督はハーブとドロシーに一つの疑問を尋ねたらしい。


「なぜこの映画を何の関連性もない日本人の私に撮らせてくれたのか?」と。


その答えは「撮りたい人はいたけどみな資金を集めてから来ると言ってそれっきりだった。実際に撮り始めたのは、佐々木さん一人だった」というもの。



結局、この映画の根底にあるのは情熱に突き動かされて動くことで打開していく姿なのかもしれない。


映画の中の二人とその後のストーリーがそれを物語っている。